ロレックスが「資産」として急上昇した理由
以前よりロレックスは「資産」として言われてきた続けており、カテゴリ的には金や不動産に近い立ち位置として確立しつつあります。
ただこれらと決定的に違うのは課税対象か否か、という点になります。金は50万円以上の利益が出た場合、不動産関連は売却時にとそれぞれ課税されるタイミングがありますが、ロレックスは持ち込んだタイミングで売却となりますので、手軽さが他にないウリと考えられます。
ロレックスは使用を続けた場合でも、よっぽど破損が著しくない限りは、腕時計の中でも比較的高く値段を付けられることが多く、美品に近くなるほど購入時以上の価格になることも少なくありません。加えて毎年定価の価格改正が行われており、その都度中古相場の上昇へとつながっております。そして他の腕時計よりも定価がお求めやすい価格になっており、需要と供給のバランスが取れていないことも要因となります。次回の定価改正は、2021年8月と予測されており、ロレックスの資産運用を考えているユーザーはこのタイミングで動くとされています。
希少性とファン数の多さ
腕時計の中でも、特にロレックスに注目が集まった要因としては生産数が少なく、正規店での購入が難しいことが主な高騰要因となります。コロナ禍の影響も相まって、ただでさえロット数が少ないロレックスの本数に拍車がかかり、2020年から現在にかけてまででもその希少性が更に高まっています。ただ単純に希少性が高いから資産価値が高いか、という訳ではなく、変わらない洗礼されたデザイン性・堅牢な作りとどんな状況にでも正確に時を刻む技術力ロレックスを着用した著名人の数々のエピソードなど、話題性にも事欠けません。
ロレックスの高い技術力とその信頼性
ロレックス以外にも高級時計ブランドはあります。なぜパテックフィリップやオートマピケなどと比べて、ロレックスの買取価格が右肩上がりを続けているのか?その要因の一つにロレックスが長年かけて生み出してきた数々の機構の歴史が挙げられます。
「防水機構」
1926年、ロレックスが初の防水時計として発表されたのが「オイスター」というモデルである。翌年のドーバー海峡横断チャレンジに挑もうとしているメルセデス・グライツに提供し、過酷な状況下にも関わらず見事その役目を勤め上げこのことが当時のメディアを通じて世間に大きなインパクトを与えたのが始まりとされ、今日に至る防水機構の礎となりました。
「自動巻き機構(パーペチュアル)」
元々は1920年代においてイギリスの時計職人ジョン・バーウッドによって発案された機構ですが、それを改良し世に送り出したのがロレックスとされています。ロレックスはローターの回転方向を360度全回転させ効率化をアップさせることに成功。このことをパーペチュアルと名付けられ、当時から周りから見てもずば抜けた技術力の高さが伺える機構の発明でした。
「デイトジャスト機構」
午前0時になった瞬間に日付が変わる機能です。今でこそ当たり前の機能ですが当時は画期的な機構でした。1945年にロレックス創業40周年の記念として発売されたデイトジャストが初搭載の腕時計とされ、現代までに名を轟かす著名な機能がこの年をもって揃ったとされています。
代表的な機能は以上になりますが、クロノグラフやGMT他にも着用するシーンに応じた様々な機構が搭載されています。
ロレックスは現代の腕時計機構の当たり前を作り、その精巧さが今も受け継がれていることで、近年の商品価値にもしっかり反映されていることと思われます。
筆者情報
宮本瞬
株式会社エコリングにてオークション事業部の時計を担当。
笑顔がモットーとし、時計とクルマ、バイクをこよなく愛してます。
8年間、鑑定業界の最前線で培った目利きと知識経験が自慢。